(「映画で知るハワイ」をテーマに映画や動画についてのエッセイを書いています.初回の「ピクチャー・ブライド」はこちら.2つ目は戦争,3つ目は観光,4つ目はプリンセスということで「プリンセス・カイウラニ」や「モアナと伝説の海」について書きました.ここから5つ目になります.)
2011年の映画『ディセンダンツ』(The Descendants)は「子孫」という意味で,邦題は『ファミリー・ツリー』になっている.原作はハワイ出身の作家カウイ・ハート・ヘミングスによる小説だ。舞台は現代ハワイで、オアフ島で暮らす先住民系のマット・キングが弁護士として家族と不自由なく暮らしていたが,妻が事故で昏睡状態になり,生活が一変する.そして、妻が不倫していてマットとの離婚を考えていたことが明らかになるのである。しかし、マットがいわゆる中年の危機に直面していたことより重要なのは,彼が王族の子孫であり,先祖から継承した広大な土地をどうかするか決断を迫られていたという状況だ.