Auckland Writers Festivalでウィティ・イヒマエラ(Witi Ihimaera)の講演を聴きに行ってきました。(イベントに向けた動画はこちら。)20数年前にハワイ大学で講演を聞いたことがあり、楽しみにしていました。先日のRNZに関する投稿で言及したStacey Morrisonが聞き手。Ihimaeraはマオリ系であり、NZで最も有名な作家と言っても良いのかなと思います。現在、個人的に短編集Pounamu pounamuを読んでいるのでが、講演ではこの短編集からの逸話が語られる場面が目立ちました。最新作The Kaikaukau/The swimmer i te ao o te reoでは、Witi Ihimaera Smilerと名前が記されており、80歳にしてマオリ語を改めて学び出した彼が新たなアイデンティティの境地に達したようです。講演の中でも自分の全てを受け入れることにしたという趣旨の内容を述べていました。
ところで、Ihimaeraの最も有名な作品はおそらくWhale Rider(鯨の島の少女)かなと思いますが、いくつか作品を読んだり、 講演を聞いたりしていると、果たして主人公が「少女」であることはどれくらい革新的な問題だったのだろうかと疑問を感じます。日本語のタイトルとしては関心を惹くでしょうが、原作の精神を尊重しない選択にも感じられ、翻訳の難しさがこの点にも表れています。