しかし、19世紀に入って王国の近代化を助言する立場にあったアメリカ人宣教師やメインランドからやってきた専門知識を有する白人たちが強く働きかけたことにより、カメハメハ3世の時代に、欧米と同様に土地の私有化を可能にする法律が作られたのである。要はお金で土地を取引することで、(王を介さずとも)個人が永続的に土地を完全に所有可能になり、譲渡も相続もできるようになったことを指す。こうしてCrown Lands(王室地)、Government Lands(政府地)、Kuleana Lands(前者2つより小規模なクレアナ地)の3分類が出来上がった。元Crown Landsはハワイの土地の約25%を占めるが、それらをBig Fiveと呼ばれる財閥が所有しており、アメリカ軍の基地のほとんどが元Crown Landsである。このような状況が生まれたのは、1848年のマーヘレが私有化を可能にした後、1893年の王国転覆と1894年の共和国の憲法により、王国の土地(政府地)を共和国に移転しただけでなく、王族の私有地(王室地)まで共和国の政府地へ変換したからだ。例え主権が変わろうとも,個人の私有地は私有地であり続けるはずであるから,この変換を目論んだ集団は他者の私有財産の権利を尊重しなかったということだ.