2025年9月14日日曜日

ハワイ語は生きる!というメッセージを発信するドキュメンタリー3/14

ケリイの旅にはピラ・ウィルソンとカウアノエ・カマナーという同行者がいる。2人は彼女の両親であるとともに、ハワイ語のイマージョン教育を開始した中心メンバーでもある。アハ・プーナナ・レオという団体を創設し、就学前教育であるプーナナ・レオ(「声の巣」という意味)を始め、その後、90年間にわたりハワイ語を教育言語とすることを禁じてきた法律の改正に向けて働きかけ、公立学校内にハワイ語のイマージョンプログラム、クラ・カイアプニ・ハワイを設置できるようにした。その後、毎年、州から教員を雇用するための予算を獲得して、1学年ずつ拡張し、教材を作成し続け、ついに高校までハワイ語で学べる環境を実現したのである。ピラとカウアノエは家庭の言語をハワイ語として、ケリイを含む子供たちを育て、こうして1990年代後半に高校を卒業した最初期の生徒たちの1人がケリイなのだ。彼女のように高校まで卒業しなくとも、就学前、小学校、あるいは中学校の段階で通学した生徒たちは、これまでに数千人に達しており、(年配の母語話者だけでない)新たな母語話者集団が形成されている。さらに、現在、卒業生が自分の子どもをイマージョン教育の学校に通わせるという状況が生まれており、ハワイ語の世代間の継承が新たな段階に入ってすでに10年以上が経過している。教師不足によりプログラム拡充ができないという問題を抱えてはいるが、世界の他の危機言語と比べるとハワイ語の再活性化は目覚ましい進捗を遂げた例だ。現在では、ハワイ大学のヒロ校には大学院レベルまでハワイ語プログラムが存在する。