2025年8月7日木曜日

映画「ブルー・ハワイ」と観光5/7

「ブルー・ハワイ」と比較したら面白いのは、1937年の「ワイキキ・ウェディング」だ。古い映画だから内容的に期待できないと思うかもしれないが,コミカルな内容の物語は展開が速くて面白く,大勢のエキストラが出演していてとても賑やかな作品だ.(先住民が神聖なパフドラムの上で踊るなど)時代的に適切とはいえない、誇張され、歪められた描写が散見される一方で,先住民系のキャラクターがハワイ語で話す場面もとこどころ挿入されており,ビング・クロスビー演じるトニーがハワイ育ちかはわからないが,ハワイ語を理解することができるという設定になっている.「ブルー・ハワイ」よりさらに20年以上前の白黒映画作品だが,「ワイキキ・ウェディング」のコミカルな要素はプレスリー主演の「ブルー・ハワイ」にも引き継がれている.しかし,それは,クロスビーやプレスリーが演じる白人のキャラクターが中心的な役割を果たし,それ以外の先住民系やアジア系のキャラクターはあくまで周縁的な立場に留まり,彼らの個々の声が聞こえてくるわけでなく,ハワイも単に訪問者たちが展開する恋のから騒ぎの舞台として背景化されているに過ぎないということを意味する.