2025年7月22日火曜日

海が登場しないハワイ映画『ピクチャー・ブライド』9/11

ピジンは現在のハワイでも話されていて、ハワイで生まれ育ったことを効果的に示す印だ。同時に、スティグマも伴い、その理由はプランテーション労働者の言語というイメージが引き継がれているからだ。中でも印象的なシーンとして、馬に乗った経営者が労働者の一団に向かって作業工程を英語で説明する場面がある。労働者たちは白人が何を言っているかわからないという反応をする.そこで,横にいたポルトガル系の現場監督が「オケ、オケ」といって介入し、経営者が述べたのと同じ内容をピジンで説明し直す。すると、労働者たちは大きく頷き、そのうちの1人が先ほどの経営者について「なんだこの白人は英語を話せないのか?」とピジンで言い放ち、その場にいた労働者たちが大笑いするという場面だ。アジア系の労働者たちはピジンを話しているのだが、自分では英語を話しているつもり、という演出だ。ピジンが労働者の言語であることが最も鮮烈に示されている場面だと思う。