前回はUlukauというウェブサイトから入手できるフィクションを紹介しましたが、ノンフィクションもあります。ただ、フィクションとノンフィクションの区分はあまり厳密ではありません。
フィクションを選択すると34作品表示され、ノンフィクションを選択するともう少し多くて47作品表示されます。
フィクションだと14作品くらいが(とても)やさしい読み物です。絵が魅力的で、単語もやさしく、役立つ表現が繰り返されていて、楽しめます。例えば、Nā hana a ka lāʻī は、ティーリーフの使い方を対話風にとり上げていて、楽しく読めます。あと、Ke nui aʻe au(大きくなったら)という作品も、写真が素敵で、微笑ましいオチもあります。家族や自然をテーマとする作品が目立ちますが、優しい表現で神話や伝説に親しめる作品もありますし、写真やイラストにもそれぞれ特徴があって(眺めるだけでも)楽しいです。初級より少し難しくなりますが、Nā koko o kēia keiki Hawaiʻi は、ある子供が自分の中の多民族性を語る作品でとても印象的です。
ノンフィクションだと13作品くらいが該当するかなと思います。子どもの学校生活をテーマにするものが目立つのは、ハワイ語で学ぶ子たちをサポートするという意味合いがあるのかもしれません。例えば、E paʻa pono はハワイ語で教育する学校に通う子の紹介になっていて、結構長めですが、写真が多くて読みやすいです。また、No ka pūʻolo ʻonoはラウラウの作り方を紹介していてサクッと読めます。変わり種では1835年や1859年当時の教科書(アルファベットと算数)にもアクセスできます。フィクションと同様、自然もよく取り上げられているようで、特にʻO Waiʻanae: koʻu wahi nohoは、オアフ島のワイアナエを紹介していてイラストが素敵です。自然環境ということであれば、少し難しそうに見えるかもしれませんが、I mea aha ke kai?のストーリーは循環が主題で、昨今のSDGsにピッタリな感じです。
絵本の読みやすさは語彙や文法だけでなく、レイアウト、繰り返し、写真やイラストなどによって大分変わりますが、やさしい表現を通して、文化に迫れるところが絵本の魅力ですね。