フィクション2つ目は「ナー・フアカイ・ポー」(Na Huakaʻi Pō)である。ピジンやクレオール諸語を研究するハワイ大学マノア校のサトウセンターから制作資金の支援を受けたため、サトウセンターのYouTubeチャンネルで視聴できる。舞台はハワイで、ハワイ生まれ育ちであることを象徴するピジンを話す登場人物と話さない登場人物とのやりとりが含まれている。(PICから短編映画制作の資金援助を得た場合も、ポリネシアの先住民をテーマとする作品であることが条件になっていたりするのと同じである。)「ナー・フアカイ・ポー」というハワイ語の題名だが、フアカイが「旅、航海」、ポーが「夜」という意味で、Voyagers of the Night(夜の航海者たち)という訳が付けられている。ジャンルとしてはある種のゴースト・ストーリー、つまり怪談ということになる。エアビで予約した民泊にやってきた旅行者がオーナーと会話する場面から物語が進んでいく。最初にオーナーが民泊のルールをピジンで話しながら説明するのだが、ハワイの外からやってきた旅行者は理解するのに苦労するという描写がある。ナイトマーチャー(Night marcher)と呼ばれる幽霊の集団にまつわる怪談を基盤とした物語で、最後にどのように伏線が回収されるのか楽しみに見てほしい。見た後にハワイのホテルに泊まれるかは保証できないけど。