カラーカウアが滞在9日目(1881年3月12日)に訪問したのは、王子抄紙部,三井製紙場,渋沢別荘です。現在のJR王子駅周辺、都電(さくらトラム?)の飛鳥山公園駅周辺ということになります。
渋沢は渋沢栄一。(個人名を出すとご迷惑かもしれないので挙げませんが、人づてに教えていただいたこととして)渋沢側の記録では、デジタル版『渋沢栄一伝記資料』25巻に「是日栄一、ハワイ国皇帝ディヴィド・カラカウァ(David Kalakawa)ヲ飛鳥山邸ニ請ジテ茶菓ヲ呈ス。次イデ十三日紅葉館ニ饗宴催サレ、栄一出席ス」とカラーカウアによる訪問が言及されています。外務省の記録では後日、渋沢がカラーカウアに謁見し、別荘訪問のお礼を述べたとされています。しかし、カラーカウアは少なくとも日記の中で渋沢に言及していません。言及している資料もこれまでまだ見たことがありません。ひょっとしたらカラーカウアは渋沢を重要人物だとは思っていなかったのかもしれません。
こういった趣旨でカラーカウアの滞在を振り返っています。