2025年8月30日土曜日

The descendantsの世代を超えた苦悩7/12

主人公のマットや原作者のヘミングスは、受益者として利益を得ていた。それはアリイ(王族・貴族)であった彼らの先祖が土地の管理・運用を委託し、(銀行などの)受託者が管理・運用をしていたからだ。アリイの財産の信託のことを特にアリイ・トラスト(Aliʻi Trust)と呼ぶ。しかし、英米法における「永続性の禁止」(The rule against perpetuities)により、この信託には有効期限が設けられている。彼らの先祖のように、アリイ(王族・貴族)として長期間にわたり、将来の特定の時点まで財産を使えない状態にすることを防ぐルールだ。社会全体として財産が役立たなくなることを防ぐため、というと聞こえが良いかもしれないが、ハワイにおける土地の私有化の歴史を踏まえれば、あくまで英米法が押し付ける原則といえないこともない。信託が期限を迎えて、先祖からの土地をどうするか決断を迫られたアリイ・トラスト事例は、原作者のヘミングスを含め、2000年前後に数件あったようだ。