2025年10月18日土曜日

ハワイとつながりのある俳優たち6/7

ザ・ロック(The Rock)というリングネームで人気を博した元レスラーのドウェイン・ジョンソンは,プロレスリング一家に生まれ,サモア系の母親と黒人の父親を持つ.2015年から2016年にかけて最も高額な出演料(64.5億ドル)を手にしたハリウッド俳優となり,その後も活躍を続けている.『ジュマンジ』などの作品で知られ,声優としてはアニメーション映画『モアナ』でトリックスター的な神で、姿形を変えることのできるマウイを演じた. また,2024年にはポリネシア系アメリカンフットボール選手の殿堂入りを果たしている.社会貢献活動にも熱心で,ハワイで起きた災害やハワイ先住民の抗議活動への支援でメディアに登場することも多い.華々しいキャリアを持つが,14歳の時にハワイで強制退去を受けるなど苦労人として波乱万丈の側面があることが彼の魅力となっている.ドウェインはレスラー時代から自らのエスニシティーをサモア系であることを明示する名前(Rocky Maivia)から、The Rockへと変えてイメチェンを図っている。また、社会批評的なパロディー番組Saturday Night Liveでは(ハワイで生まれ,高校時代を過ごした)オバマ大統領(当時)が怒りで変身するThe Rock Obamaというパロディーキャラクターを演じていたことからも、彼が黒人を演じることは聴衆に受け入れられていると言えそうだし,功なり名を遂げた彼が未だに演じることを受け入れている.だからこそ、ハワイ諸島を統一したカメハメハに関する映画の企画が2018年に公にされた際、カメハメハ役としてドウェイン・ジョンソンの名前が挙がると、一部からは配役に関して不満の声が上がったようだ。その後の詳細は不明だが、2020年に撮影開始だったものの,20248月現在も当該映画は準備中ということになっている。ドウェイン・ジョンソンは現在の自分を形成したのはハワイでの体験だと語ることがあり、この役に強い思いを持っていると考えられる.映画制作が遅れているのは多忙のためか,それとも先住民コミュニティーからの反応を見極めているのだろうか。ひょっとしたら、このままお蔵入りになる可能性もあるのかもしれない。