オリ(チャント)のクラスでは講師の先生が全くとまってくれず、しかも少し耳が遠く、通訳はおろかコミュニケーションするのに苦労しました。冒頭、部屋の後ろに座ったお姉さまに「聞こえないんですけどー」と叱咤され、へこみながらの滑り出し。体勢を立て直してからは、タイミングを見て通訳をねじ込むという力技の連続でした。英語話者もいるので日本語話者のためだけにそんなに時間をとるわけにもいかない。
ロシア語同時通訳者の米原万里さんの言葉でいえば「不貞な美女」か「貞淑な醜女」かで迷うことなく前者を選択したということになるでしょうか。要は正確さでは落ちるけれども、まとまっていて聞こえの良い通訳を心がけたわけです。
失敗もしましたが、後でイベント・コーディネーターから、参加者アンケートで「オリのクラスの通訳の人が良かった」というコメントがあったと聞かされました。アンケートには通訳に関する項目なんてないのにわざわざ書いてくれたみたい。いやいや苦労した甲斐があったなあ。