2022年10月20日木曜日

ワイピオとリーロア

ハワイ島ワイピオ渓谷へのアクセスをめぐる抗議・保護運動が行われています.それと関連して,KŪ-A-KANAKA LLCが主催したZoomイベントに行ってみました.ワイピオにまつわる物語がハワイ語で語られ,英語でも説明するという形式でした.また,今回,プレゼンをしたクー・カハカラウ博士は,ハワイアンミュージシャンのロビー・カハカラウやマカハサンズに提供した自身のメレ(Keiki O Ka ʻĀinaとKa Wai ʻOlu O Waipiʻo)を引用,実演.歌詞の中にハイチーフのLīloaとその子ʻUmi(孫はLonoikamakahiki)を登場させていました.(ちなみに,クー・カハカラウもロビー・カハカラウも1990年代に,ハワイ語ラジオ番組カ・レオ・ハワイに出演したことがあります.)

ワイピオにまつわる物語を紹介した後,抗議・保護活動への参加者,特にチェックポイントで夜のシフトを担当してくれる人を募集してイベントは終了しました.

今回の講義でも触れられていましたが,イオラニ宮殿の敷地内にLīloaと関わりのあるポハク(石)が設置されています.キャプテン・クックの記念碑(しかも「太平洋における現代文明の先駆者」と記された)と併置されているのがいかにも「奇妙」な感じがします.


数年前に日本でも同じハワイ島のマウナケアとTMTの問題が報じられました.しかし,この問題は変遷しつつ継続しているけれども,続報はないと思いますし,基本的に同じ種類の問題である今回のワイピオ渓谷へのアクセスをめぐる問題も報じられることはないのでしょうか.少なくともこうした事象をまとめて授業では紹介していけたら良いのかな.

Līloaが含まれる有名な表現(Kūlia i ka nuʻu, i ka paepae kapu o Līloa)が昔の表現として,100年前の1922年のハワイ語新聞で紹介されていることをこちらのブログが紹介しています.