3人目はトゥムア・トゥイネイ（Tumua Tuinei）で，すでにニールブレイズデルという大きな会場で自身のショーも行っているし，現在ではアメリカ各所でツアーを行っており，新世代のコメディアンとしては最も実績がある．元ハワイ大学のアメリカンフットボールの選手で，コミュニケーションと演劇の学位を取得した．パンデミックを機にSNSで人気が出て，規制が緩和されてからはステージパフォーマンスを再開し，人気コメディアンとしての地位を確立した．彼のウェブサイトで動画が視聴でき，ステージ上のスタンドアップコメディーやSitcom風の作品がアップされている．注目ポイントとしては，元プロフットボール選手だったという父親など家族（おじのMarkはより有名な選手だった）も出演している点で，このあたりが若者というより中年世代のファンの心をくすぐるのだろう．MidWeek誌のインタビューを読むと，影響を受けたコメディアンとして，1970年代から活躍するアンディー・ブマタイ，フランク・デリマ，ラップ・ラプリンジャーの名前を挙げ，彼らが若い世代のための道を切り拓いたとリスペクトを表明していることからも，トゥイネイがハワイのローカルコメディーをかなり意識し，この系譜の中に自らを位置付けていることがわかる．